正露丸のラッパの音って…~『所さんのそこんトコロ』

『所さんのそこんトコロ』というTV番組を、なにげに聞き流していたら、
「なにい!?」
というナレーションが流れていました。

自衛隊で使用する「信号ラッパ」を作っている東京の町工場を取材していたんですが、
その工場の人がラッパを吹いて見せ、
「この曲は何でしょうか」というクイズを出しました。

答えは「海上自衛隊の食事ラッパ」

海上自衛隊って、信号ラッパまで大日本帝国海軍から受け継いでいたのか!
軍艦旗はもちろん、いろいろな作法まで、
大日本帝国海軍から受け継いでいるものがたくさんあることは知っていましたが、
信号ラッパの件は初耳でした。

だが、そのあとのナレーションの一言は、耳を疑うものでした。
「どこかで聞いたことがありませんか?」と視聴者に問いかけ、
これは「正露丸のCM」のラッパの音楽と同じもので、
あれは海上自衛隊の食事ラッパだったんですね! ということだった。

「ウソつけええ!」 


大日本帝国海軍喇叭集

放送で流れたのは、この動画の中の「食事ラッパ」(34秒あたり)と同じものでした。 ちょっと、吹いてる人が下手くそで、聞き取りにくいものでありましたが。

「かっこめ かっこめ かっこめ かっこめ かっこめ 飯(メシ)だ  
  かっこめ かっこめ かっこめ かっこめ メッコ飯だ」

と聞きならします。 メッコ飯というのは、十分に火の通っていない、 ボロボロのご飯のことです。

つぎは「陸軍」の食事ラッパです。
基本フレーズはおんなじなんだけど、微妙に海軍とは違ってますね。
55秒あたりから始まります。

大日本帝国陸軍喇叭集

正露丸のラッパは、大日本帝国陸軍の方でしょうね! 海上自衛隊ではなく…

正露丸CM

そもそも「正露丸」は、もともと「征露丸」といい、
ロシアの脅威が高まる時代に作られ(1902年、販売許可交付)、
日露戦争において、陸・海軍で胃腸薬として服用されたものから由来しています。
正露丸公式サイト 製品ヒストリー


それから、現在の海上自衛隊の食事ラッパを確認してみようと
YouTubeをあたってみました。
有りました!
1:50くらいから始まります。

海上自衛隊ラッパ集

なんだ! ぜんぜん違うじゃん!

調べてみると、現在の自衛隊食事ラッパの聞きならしは、

米軍さんのオカズはお肉にサラダ 自衛隊さんのオカズは菜っ葉だけ

だそうです。

ちょっと調べればすぐにわかるデタラメを、
公然と垂れ流すテレビ局の堕落ぶりには、もう何をか言わんや!です。
中国や韓国に「歴史を正視しろ!」と言われても、しかたねえな、こんなザマじゃ。

<付記>2015.3.24
現在自衛隊で使われている「ラッパ譜」は、自衛隊の前身である警察予備隊が昭和25年に発足した当時、旧軍のものは一切使ってはならないというお達しがあったそうで、「起床」「食事」「消灯」「君が代」等、信号ラッパで吹くラッパ譜は全て新しく作られたそうです。(谷村政次郎『行進曲「軍艦」百年の航跡』
どこからのお達しだったかまでは書いてありませんが、当時の日本はまだ連合軍の占領下で、GHQが日本国民から見えない所で日本政府に強制的指導を行っていた時期ですから、行き着く先はアメリカさんということでしょう。
今年は戦後70年、占領期間中、アメリカは日本で何をやっていったか? そろそろ、はっきりさせておくべき頃合いだと思います。私はいま、GHQの日本に対する思想・社会・経済・文化・政治等の破壊工作について調べているところです。

シモクラ DSP規格信号ラッパ(三つ巻)