雪の記憶

四日前に降った雪が、まだ庭に残っている。

よく見ると、なにやら鳥と思われる足跡がてんてんとついていた。
何の鳥やら想像もつかないが、
カラスなどとは違う小さく可愛らしい足跡だ。

生け垣の隙間を通って、
私の庭に入ってきたらしい大きな足跡も見つけた。

犬の姿はめったに見ないので、たぶん猫のものだろう。
猫ならけっこううろついてるし、
我が家の敷地内を歩いている姿もたまに見ることがある。

屋根からは、最近はあまり見ないような長さのつららが垂れ下がっていた。
いちばん長いもので1メートルはあった。

「たろひ(垂氷)があ」という母の声が聞こえたような気がした。