ハンギングバスケットの作り方

shadowさん、こんばんは。
コメントでのご質問に、こちらからお答えしますね!

「ハンギングバスケットを始めて知ったのですがこれはどんな花を飾ってもいいものなんですか?またルールとかもあるのでしょうか?もう少し詳しく教えてくれませんか。お願いします。」

ハンギングバスケットは、基本的にはどんな花を使って作ってもOKです!

ただその際、同じような性質の植物を選ぶことが必要になります。
一つの容器に植え込むので、性質の違いすぎるものは管理が難しくなります。

たとえば、水が大好きな植物と乾燥を好む植物を一緒に植えてしまうと、水管理が出来ませんね?

また、日陰を好む植物と直射日光を好む植物を一緒に植えると、
置き場所によってどちらかの植物の生育に悪い影響が出ますね?

そういう意味です。

つぎに「ルール」ということですが、
ハンギングバスケットというのは上のような容器に植え込んでいます。

「スリットバスケットSLT-25」といいます。(伊藤商事製)

いろいろな容器が市販されているので、どれを使ってもかまいませんが、私たちは大体これを使っています。

「いちばん使いやすい!」というのがその理由です。

協会理事の会社が生み出した特許品なので、日本ならではの製品です。
この存在が、ハンギングバスケットを日本に広める上で果たした役割というのはかなり大きいと思います
それまでははっきりいって、植え込むしんどさったらありませんでした!

「ルール」というより「ノウハウ」といった方がいいと思いますが、
このバスケットの使い方は、
まず付属のスポンジ5枚を内側から貼って、土止めを作っておきます。

すると、こうなります。

スポンジの表面に少し“土”がついてますね?このように土をまぶしておくと、手や植物がくっつかなくなり、作業が楽なんです。

スポンジのまん中に縦に長く切れ目(スリット)がありますね?
ここに上から花苗を落とし込んで植え付けるわけです。
植え付ける前に、底に少し土を入れて、根が伸ばせるようにしておいて下さい。

植える位置は特に決まっていませんが、スリットは5つあるので、最下段には一つおきに3個が無難でしょう。

少し土を足して、2段目を植え込みます。1段目とずらして植えるといいです。
さらに土を足して、3段目を植え込みます。
仕上げに一番上の、平らな部分にも必ず植えこんで下さい。そうしないと、きれいな半球形になりません。

植え込みが終わったら、乾燥防止のため、土の表面を隠すように水苔を貼ります。

完成!

以上、駆け足で説明してきましたが、補足説明をしておきます。

(1)用土にはあらかじめ、マグァンプK(緩効性肥料)を混ぜておいて下さい。
   ゆっくり効いて、植物を育てます。
   普通の化成肥料は急激に効きすぎて、根腐れの原因となりますので使用しないで下さい。        

(2)花苗は、植え付ける前に、平面上でどれをどの位置に植えるか、
   デザインの検討をして置いてから植え込んで下さい。
   何段目に何株植えるかは、デザインしだいで変わります。

(3)使用する花苗の数は、株の大きさや、どれくらいの期間楽しむかによって変わります。
   春から初夏まで楽しもうとすると、その期間、花はかなり育ちますから、
株数を少なくしても十分に楽しめます。
   反対に、冬場、短期間だけ楽しもうとすると、或る程度苗を詰め込まないと、見応えが出てきません。
 そこら辺の呼吸は、経験を積んで体得してもらうしか有りませんね。

(4)花苗をたくさん植え込むときは、根鉢の土を落としてやらないと収まらない場合があります。できるだけ根を傷めないように、しっかり土を落として植えるようにしてください。

(5)植え込みが終わったら、たっぷり底から水が滴るまでやって下さい。
   水やりは、少しやっては染みこむのを待って、何度かに分けて、位置を変えながらやって下さい。
   寄せ植えのようにウォータースペースがとれないし、
   一度に水をやると脇からこぼれたり、土が流出したりします。

(5)植え傷みから回復するまで、すぐに飾らずに、
   雨風や直射日光から避けられる所において下さい。

こんな点に注意すれば、
初心者の方でもハンギングバスケットを楽しむことが出来ますので、
今年の春はぜひ挑戦してみて下さい!

分からないことがあったら、聞いて貰えれば何でもお答えします。

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最後に、参考書としてお薦めの一冊を紹介しておきます。

このあいだ『とうほく蘭展』でも講演して頂いた、日本ハンギングバスケット協会理事の上田奈美先生が書かれた『今日からはじめるハンギングバスケット』です。

初心者から中級者まですぐに使える内容なので、手元に置いていつも目を通して下さい。
本の大きさも、ハンドブックにちょうどいいですよ。