ひさびさに山の香りを吸ってきました!
ワラビのおひたしが恋しくなったので、
昨年の大地震の被災地の中のワラビ山まで、
大迂回作戦を決行しました。
USアーミーのアルミシートにひろげたのが、
本日1時間ほどの成果です。
![](https://xn--r9jfb9671asuv520a3vjhx6c.com/wp-content/uploads/2022/05/わらび収穫_800.jpg)
しかし、
目的地までの行程では、
落石防止工事や、
寸断された舗装道路の補修痕、
崩れたままの崖など、
昨年の地震の爪痕が残されていました。
「岩手・宮城内陸地震」が起きたのは、
昨年の6月14日でした。
まもなく1年が経とうとしています。
![](https://xn--r9jfb9671asuv520a3vjhx6c.com/wp-content/uploads/2022/05/タニウツギ_800.jpg)
タニウツギ
たくさんの人が被災し、
亡くなった方たちもいました。
それでも季節は巡ってくるし、
ことしもいつもの年のように、
山の花々が咲いていました。
ウグイスやカッコウの鳴き声が谷間から聞こえ、
エゾハルゼミの声が、
木々の間に響き渡っていました。
考えてみれば残酷なようでもあります。
かつて弟を亡くした頃を思い出しました。
自分たち家族はこんなに深く悲しんでいるのに、
それとは関係なく、
他人も自然も過ぎ移ろって行くのだなと気が付き、
別な世界に生まれ変わったような気持ちでした。
初盆に上げる桔梗の花を、
向かいの山に取りに行ったあたりから、
野生の花や自然というものにのめり込んでいったようです。
二十歳のころの話です。
……
その頃のわたしは、なぜか、
園芸植物という人工の花が、
顔をそむけるほどキライでした。
東栗駒山の山上の道で見た、
風にふるえて咲いているハクサンチドリの花が、
わたしの心の中の花でした。
ハイマツとササと空しかない風景の中に咲いている、
小さなほのかなピンク色の花の強さに打たれました。
![](https://xn--r9jfb9671asuv520a3vjhx6c.com/wp-content/uploads/2022/05/フタリシズカ_500.jpg)
フタリシズカ
でもね、
日本人だけでなく、
人間というものはみんなそうやって生き延びてきたんだよね?
山が崩れたり、
河が氾濫したり、
海が押し寄せてきたりするのに遭遇しながら、
生き延びた者たちが命のバトンを渡して、
そうしていま私たちがいます。
自然の風景の中には、
そんな秘密が秘められているのを感じます。
ときどき無性に山に行きたくなるのは、
古代の祖先の人々の魂と、
交感したくなるからなのかも知れないな。