浅川マキ さよなら! あばよ!

幻の男たち LIVE 1984 [DVD]
浅川マキさんが亡くなりました。


友人や会社の同僚だったやつが亡くなったりして、
人の「死」が身近に溢れてはいるんだけど、
時代を象徴する人物が亡くなるというのはまた別な感慨があるものですね。


代表曲をあげるなら、
『夜が明けたら』『かもめ』『ふしあわせという名の猫』とかになるんでしょうが、
「ソウルフル」といっていい彼女の曲には、
1曲1曲聴く人それぞれに思い入れがあるでしょうから、
彼女のような歌手に限っては、
あんまり「代表曲」というようなくくり方に意味はないかも知れません。


わたしよりももう少し上の世代が夢中になった歌手だと思いますが、
高校生の頃の私が「背伸び」してあこがれた歌手です。


どこか投げやりに歌う浅川マキを聞くことで、
不良っぽく自分を演出しようという下心があったことは否定できません。

浅川マキ 夜が明けたら

さて、もう1本、浅川マキを紹介しようと思うのですが、
寺山修司がたくさん浅川マキの歌の作詞をしています。

寺山ファンのわたしとしては、
ここは寺山修司作詞のものを選びたいと思います。

『かもめ』…これは、寺山が好きなモチーフですね!

『ふしあわせという名の猫』…これもいかにも寺山好みの世界観が展開されてます! 浅川マキの歌唱も「絶品」というほかないです!

『愛さないの愛せないの』…寺山「少女詩集」の1編ですね! この手の作詞を、当時の寺山は、学研の『中学コース』で毎月発表していました。

『わたしが娼婦になったなら』…寺山修司詩集に掲載されていました。たしか読者から投稿された詩に寺山が手を入れて作った詩だった記憶があります。

どれもいいんだけど、私はこれを選びました。
世界観もモチーフも、まさに寺山好みだと思います。


浅川マキ 花いちもんめ

結局、酒飲みながら朝まで浅川マキを聞いて過ごしちゃったよ。

酒が似合う歌を歌う人でもあったな。

なんかもっと浅川マキが聴きたくなってしまった。
こういう「心に沁みる」歌がなくなってしまったよなあ。

ほんと、沁みるぜ!
「さよなら! あばよ!」 浅川マキ!