「国宝 吉祥天女が舞い降りた!」─仙台市博物館─を観て来た!

「国宝 吉祥天女が舞い降りた!─奈良 薬師寺 未来への祈り─」を昨日、観て来ました。
「奈良・国宝 室生寺の仏たち」に続いて、またまた国宝が仙台にやって来ました!

「東日本大震災復興祈念特別展」として、
古都・奈良から仏様たちが大挙して仙台に来臨していただけるというのは、
誠にありがたいことでございます。

東北という場所柄ゆえ、東京から向こう側へ行くのって、
けっこう覚悟がいるんだよね!

東日本大震災がなかったら、こんなに国宝の仏様を間近で見ることなんて、
まずなかったと思います。

この御開帳も今度の日曜日までと、あとわずかだったため、
雨が降ろうが風が吹こうが、昨日は何が何でも行って来ました。
途中、いちどだけ雨が降っている所もあったけど、
天候の方はまずまずだいじょうぶでした。

「国宝 吉祥天女像」(奈良時代)は、日本最古の彩色画だそうですが、
思っていたより現物はかなり小さく、
拡大写真が展示されてなかったら良さが伝わらなかったかもしれません。

この画像は、私が中学生のころ集めていた「国宝シリーズ」という切手の中の一枚です。
これが今回やって来た「国宝 吉祥天女像きちじょうてんにょぞう」なんです。
まさか本物が見られる日が来るとは、想像もつきませんでしたね。

仙台市博物館に到着したのは10時でしたが、
すでに駐車場は「満車」だったため、臨時駐車場に車を止め、
白い睡蓮が水面を埋め尽くしている池の端を通って、
博物館まで歩いて行きました。

なかなかいい気分でした。

しかし、博物館に着くと、
もう受付に行列ができていて、
やはり私みたいにぎりぎり駆けつけた人も多かったようです。

東塔の水煙(模造)の三人の天女や、
マンダ(映画『海底軍艦』に出てくる怪獣)みたいな龍神像もよかったけど、
やはり圧巻は仏像たちでした!

重文の塑像残欠(奈良時代)から始まって、
重文の四天王立像(平安時代)4体、
たくさんの地蔵菩薩立像!

今回の展示は、「奈良・国宝 室生寺の仏たち」の時もそうだったけど、
四方八方から見ることが出来ることの良さが味わえました。

特に、「真横」から見ることによる発見がたくさんありました!

地蔵菩薩の中の一体を真横から見ると、
足元にかけてすぼまっていく三角形構図のシャープさ!
ディテールの造形のシャープさと相まって、
切れのある輪郭を見せていました。

善円作の大きな重文・地蔵菩薩立像(鎌倉時代)は、
ちょっと身をかがめるようにして雲に乗っています!
地獄に落ちた者たちを救済しに駆けつける姿なのだそうです。

まるで『西遊記』の孫悟空みたいなお地蔵様ですね!

そしてトリが、「国宝 聖観世音菩薩立像しょうかんぜおんぼさつりゅうぞう」です!
大きさもさることながら、時を経たブロンズの肌色といい、
横から見た時の全身がえがく「曲線」が、
とても素晴らしくて惚れ惚れしてしまいます!

展示の最後を飾るにふさわしい大物感溢れる作品でした。

例によって、「おみやげ」グッズを物色してきました。

なんか飾って置けるような写真が記念に欲しかったけど、
適当なものがなかったので、
1枚100円の仏像写真のポストカードを4枚買って来て、
組み合わせて額縁に入れることにしました。

それがこれです。


次は、「薬師寺 白鳳絵皿」!
白鳳時代に建立された東塔の天井にかすかに残る彩色画をもとに、
日本画家・平山郁夫画伯により制作されたものです。
極楽浄土に咲くという宝相華ほうそうげの絵柄になります。

気に入ったので迷わず買って来ました!

これと別売りの小さな線香立てを3個買いました。
写真の線香は普段使っている梅の香りのするもの。
これで毎日、線香を上げるのが楽しみになりました!

白鳳絵皿とこの線香立てを組み合わせて使うと、
すっかりチベット仏教風になります!

ちなみに、一日の最初にお線香をあげる時は、
仏・法・僧に供えるという意味で、3本あげるということを、
檀家になってる寺の和尚から教わりました。

それ以降は、ひとり1本でいいとのことです。

私が買った線香立ては陶器製でしたが、
金属製の金色の線香立ても1個1080円で売っていて、
家に帰ってAlibabaで探してみたら、
同じものが1個4元(約82円)で売っていました。

仕入れて売ってみようかな?

それと、いつものように「展覧会図録」を買って来ました。
展示に付けられていた説明文がすべて載っており、
もう一度振り返ってみるのに役立ちそうです。

帰りはまた、臨時駐車場まで歩きです。

仙台市博物館は、青葉城の三の丸跡に建てられているので、
入口の両側に巽門の巨大な石垣だけが残っており、
それを眺めながら下るのも、なかなかオツなものでした。