『シン・ゴジラ』を観て来た!(ネタバレあり)

『シン・ゴジラ』、8月2日に観て来ました!
感想を書きかけたまま、仕事に追われ、
またお盆は来るやら、リオ・オリンピックは始まるやらで、
更新できないまま、とうとうここまで来てしまいました。

まあ、「いつもどおり」といえば、それまでですが(笑)。


‥‥その間に、いろいろな人がいろいろな感想を述べているのに接しましたが、
『シン・ゴジラ』の「リアルさ」がやはり一番の話題になっていますね!

わたしもまた、この映画を見に行く決心がついたのが、庵野監督が行政機関や自衛隊に詳細に渡る質問状を出して、その回答からストーリーを組み立てていった、ということを聞いたためでした。

ゴジラを迎え撃つとしたら、今回の映画のために創作した作戦は理に適っているか? 
この映画のような状況でゴジラが襲ってきたら、どういう装備をどこに配置してどういう攻撃をするか? 
中央指揮所や前線指揮所の機能や内装、やり取りをする際の専門用語や言葉使いなど…。
「よし! 『シン・ゴジラ』はイケる!」と判断し、ようやく重い腰を上げました。

結果は‥‥期待を裏切らない出来栄えでした!
ただ、その割には盛り上がることができない自分がいたりします。

いきなり昭和29年(1954年)版『ゴジラ』(第1作)の伊福部昭によるメイン・テーマが流れ、昭和29年版『ゴジラ』と同じように始まりました。
TVの予告編では、いっさい伊福部音楽は使われていなかったので、
「むふふ。そう来たか!」と、冒頭からこれから始まる映画への期待感がたかまりました。

『シン・ゴジラ』のストーリーって、「リ・メイク」と呼ぶのがふさわしいような、
昭和29年版『ゴジラ』のストーリー構成を忠実になぞっているのを感じました。

『シン・ゴジラ』は、第1作『ゴジラ』を、状況設定はそのままに現代日本に置き換えたらどうなるか? という実験だったのではないかと思いました。

物語は「初期化」され、第28作までのゴジラシリーズの物語はいっさいなかったことになっており、昭和29年版『ゴジラ』と同じ位置からスタートしています。
ただ、そのあいだには、62年という時間の位相が存在しているわけですが。

『シン・ゴジラ』と『ゴジラ』(昭和29年版)の比較

ゴジラによって破壊された街の情景は、『ゴジラ』では空襲による焼け跡のイメージなのに対し、
『シン・ゴジラ』では東日本大震災時の津波に襲われた後のイメージになっていますね。

当然時代が違いますから、迎撃する自衛隊の兵器も、現代の最新装備になっています。
10式戦車、99式自走155ミリ榴弾砲、F2戦闘機、戦闘ヘリAH-1S、AH-64Dなど、日の丸空母「いずも」もちらっと顔を見せています。
そこらへんも『シン・ゴジラ』の見どころの一つです!

いっぽう昭和29年版『ゴジラ』ですが、ゴジラを迎撃するのは、
M24チャーフィー戦車やジェット戦闘機F86Fセイバーですが、
それらはみんな米軍からの供与品でした。

『ゴジラ』の封切り日は11月3日でしたが、自衛隊はその年の7月1日に発足したばかりでした。
映画では「防衛隊」という名で登場しますが、残念ながら戦闘能力が見劣りするのは否定できません。
それでも自衛隊(防衛隊)は勇敢に戦い、都民をゴジラから必死に守っています!

M24チャーフィー戦車

F86Fセイバー

『今日もわれ大空にあり』 昭和38年(1964年) 東宝
航空自衛隊パイロットたちが、幾多の試練を経て成長していく姿を描いた航空映画。
この映画に登場する戦闘機がF86Fセイバー。

昭和29年版『ゴジラ』に登場する発足ゼロ年の自衛隊が相手をするゴジラは、体長50mでしたが、
『シン・ゴジラ』ではシリーズ最大の118.5m、約60年間で倍以上の大きさになりました。
東京の建築物の高層化が進み、それに負けじとゴジラも巨大化しているようです。
                                                                                   (つづく)