君のナイフは錆びていないか?

ども。ミロです。

裕次郎の魅力とは?

長い脚をカッと開いて立ってるだけで絵になる俳優なんて、
そうそういないよね。

決して従来型の「2枚目」のルックスではない。
だけど、映画の中で歌ってアクションできる新しいヒーローがそこにいた。


明日は明日の風が吹く


いま見ても「カッコいい」とはこういうことさ! と思います。

昔勤めていた会社の飲み会で、
裕次郎の『赤いハンカチ』をカラオケで歌ったところ、
こういう歌もあるぜといって先輩が歌って教えてくれた歌があります。

それ以来、裕次郎の『錆びたナイフ』がすっかり好きになりました。

錆びたナイフ

作詞:萩原四郎 作曲:上原賢六 歌:石原裕次郎

一番の歌詞のそばに、寺山修司は、
「まだ早い、殺意が思い出にかわってしまうのはまだ早い」と書きこんでいたという。
そして、60年から70年にかけて、ナイフはゆっくりと錆びて行った。…(寺山修司『黄金時代』より)

寺山修司って、「同時代」を街中のサブ・カルチャーや風俗にまで探した人なんだよね。
歌謡曲の作詞家も、「言葉ではなく歌い手の肉体を媒介として表現する詩人」ととらえていました。

この萩原四郎の作詞は、
寺山の時空を超えたライバルであった石川啄木の短歌がもとになっています。

いたく錆びしピストル出でぬ
砂山の
砂を指もて掘りてありしに   (石川啄木『一握の砂』)


ピストルでは音が乗りにくいため、
ナイフに変えて作詞したということです。

石原裕次郎の歌をもう1曲紹介しようとして、
どれにしようかいま迷っています。

『赤いハンカチ』『風速四十米』がいいんだけど、
残念ながら『赤いハンカチ』はいい動画がない!

『風速四十米』と書いて、「風速40メートル」と読みます。


『風速四十米』