『なつぞら』『いだてん』そして『エール』──だいじょうぶか、NHK?

NHKには放送税を徴収されているので、気になる番組はチェックするようにしています。

だいたい朝食をとりながら、NHK朝ドラ『なつぞら』『おしん』(再放送)の録画を見ます。同じ日に始まったので、放送話数もおなじです。

最初のうちは『なつぞら』『おしん』の順番で見ていたんですが、
最近は『おしん』『なつぞら』に見る順番が変わってしまいました。
『おしん』の続きのほうが早く見たい!と思うためです。

いよいよおしんは、田倉商会の反物を持ち出して、
露店でたたき売りに挑戦するようなので、明日も楽しみです!

おしん人形 初放映当時、山形で購入したもの


『なつぞら』は、これまで『白蛇伝』や『ヘンゼルとグレーテル』などの劇場用動画を作っていたんですが、今度はテレビ・アニメに取り掛かるようです。

東映動画がモデルなので、作品は『狼少年ケン』ですね。

この時代のテレビアニメのほとんどはリアルタイムで見ているので、
興味がないこともないんですが、なんかいまいち興味がそそられません。

東映動画のテレビ作品は、みんなクォリティが高くてすばらしかったですよ!
『狼少年ケン』『少年忍者 風のフジ丸』『ハッスルパンチ』『宇宙パトロールホッパ』などなど、
みんないまでも大好きです!
だからこそ、もっと本格的な奥山玲子伝や東映動画史に切り込んでほしかった!

東映動画も奥山玲子も、ほんのお飾りで、
物語は完全なフィクション、
いまだになにを楽しみに見ればいいのか、まるでわかりません。

……この間までは、比嘉愛未のチャイナドレス姿を楽しみに見ていましたが(笑)

ドラマ制作陣の「志の低さ」を感じてしまって、
オープニングのなんの芸もないアニメを毎日見させられるところから、
モチベーションはだだ下がりです。

主人公・奥原なつのモデルとされる奥山玲子は仙台市出身で、
東北大学教育学部を中退して東京に家出して行ったらしいからね、
そういう女性なら東映動画に飛び込んで活躍できただろうな、と思いますが、
なんでなつは元浮浪児? なんでもかんでも闇市と浮浪児でお茶を濁すなよ!

前回の『まんぷく』も、カップヌードルを発明した安藤百福がモデルでなかなか面白かったんですが、でも、なんで台湾出身であることを隠さなくてはならないのか、さっぱりわかりません。
朝ドラの主人公は日本人でなければならないというルールでもあるんでしょうか?
即席揚げ麺のルーツ問題に触れられたくなかったんでしょうかね。
それとも、中国に作品を売り込む予定でもあったのかな?
いろいろ勘ぐってしまいます。


来年春からスタートする朝ドラ『エール』は、
作曲家古関裕而がモデルだということで期待していたんですが、ちょっと不安になってきました。
『なつぞら』レベルのモデリングなら、わざわざ古関裕而がモデルだとか、宣伝してほしくないな。

まあ来年は、東京オリンピック年でもあるので、
1964年オリンピック東京大会で、
古関作曲のオリンピックマーチで日本選手団が入場するあたりをクライマックスにしようという魂胆だろうと、アタリを付けてはいるんですが。

ドラマが始まる前に、いちど古関裕而について書いてみようかな。

『いだてん〜東京オリムピック噺〜』は、歴史ドラマとしては抜群に面白いですね!
大河ドラマファンというのがいるそうですが、大河ドラマというのは侍が出て来ないとダメなようです。

私自身は大河ドラマを見なくなって久しいので、近現代が舞台でもぜんぜんOKです。
というか、明治以降を舞台にしたドラマがいまは大好きです!
大河ドラマでも、マダム貞奴と川上音二郎を主人公にした『春の波濤』(松坂慶子・中村雅俊主演、1985年)や、
女医が主人公の『いのち』(三田佳子主演、1986年)は面白かったな。

高校生のころから吉川英治の歴史小説を読み始めて、
『三国志』『新・水滸伝』などの中国物から始まって、
『新書太閤記』『新平家物語』『私本太平記』『宮本武蔵』と読み進み、
最後は『鳴門秘帖』『神州天馬侠』『天兵童子』などの伝奇小説まで読み漁りました。
大河ドラマの原作になったものもいくつかあって、そのころの大河はかなりおもしろかった。
ただ、吉川英治には、大河の原作になるような「明治もの」がないのが残念でした。

『いだてん』は、ほとんど私の知らない世界が展開しているので、毎回楽しみにして見ています。
嘉納治五郎についても、明治期の彼ならよく知っていますが、昭和時代になると私の守備範囲外です。
それと、女性アスリートの活躍にフォーカスしているのが、新鮮でいいですね!
第二部が始まって、阿部サダヲの狂気を秘めた演技が、いやがおうにも見る者をエキサイティングにしてくれます!
笑いと感動が交互に襲ってきて、病みつきになりそうです。

脚本の宮藤官九郎には、視聴率など気にせず、記憶に残る作品をつくり上げることだけを目指してほしいと思います。


最後にテレビ動画『狼少年ケン』を貼っておきます。
東映アニメーションの公式チャンネルで、第一話がまるまる公開されています!

ここ2・3年、各アニメ会社がユーチューブで公式チャンネルを開設しているので、
テレビアニメ草創期の名作の数々が無料で見られます。
興味のある方は、ぜひどうぞ。

この作品は、はじめてアフリカン・ビートを聞いたことでも印象に残っています。
主題歌の作曲は、小林亜星です。

『狼少年ケン』 1963年 東映動画