佐野美津男『浮浪児の栄光』を読む

佐野美津男『浮浪児の栄光』を読む

仲田三孝を探して──「やくざ小唄」

「やくざ小唄」と「八九三ぶし」『浮浪児の栄光』の「資料編」その6。今回は「やくざ小唄」についてです。 ヤクザになるなよカタギになれと きょうもあの娘が泣いていた だけどおいらはカタギになれぬ ヤクザ渡世の義理があるという歌がありますが、ぼく...
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「吉原エレジー」と「お座敷小唄」の謎

『浮浪児の栄光』の「資料編」その5。今回は「吉原エレジー」についてです。「思い起こせば三歳みとせ前、村がキキンのそのときに、娘売ろうかヤサ売ろか、親族会議がひらかれて、親族会議のその結果、娘売れとのごしょぞんに、売られたこの身は三十両。口に...
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『浮浪児の栄光』の「栄光」を考える

佐野美津男『浮浪児の栄光』をずっと見てきたが、今日は表題通り、『浮浪児の栄光』というタイトルの「栄光」が意味するものは何なのか? を考えてみたいと思う。どこかで、タイトルとちがってこの作品には「栄光」がでてこない、という読者の感想を読んだこ...
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「暁に祈る」事件と「朝日新聞」

『浮浪児の栄光』の「資料編」その4。今回は、「暁に祈る」について、です。『浮浪児の栄光』──佐野美津男の不良少年入門佃島のはなしによると、現実の鐘の鳴る丘は、信州のタテシナ高原にあって元の名をタテシナ訓練道場。センコウたちはつねに木刀を握り...
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『鐘の鳴る丘』──まぼろしの「蓼科訓練道場」

今回も『浮浪児の栄光』の「資料編」その2です。『浮浪児の栄光』──佐野美津男の不良少年入門「おれ」がネリカンから脱走し、横浜でのゴトが終わったあと、伊勢佐木町でみた映画が『鐘の鳴る丘』でした。NHKラジオの人気連続ドラマ(昭和22年~昭和2...
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「ネリカン・ブルース」の変遷

『可愛いスーチャン』から『練鑑ブルース』へ『浮浪児の栄光』の「資料編」として、「ネリカン・ブルース」の変遷を取り上げたいと思います。『浮浪児の栄光』──佐野美津男の不良少年入門で紹介した『練鑑ブルース』は、基本形のフル・バージョンですが、こ...
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『浮浪児の栄光』──佐野美津男の不良少年入門

「浮浪児」について調べている過程で、この一冊と出会った。『浮浪児の栄光』(小峰書店 1983、初出1962)、著者の名は、佐野美津男。あれ? この名前、どこかで聞いたことがあるぞ。どこだっけなあ! 思い出せない。ウィキを見てみたら、こんな記...