ども。ミロです。
寝坊助のわたしが、ここんところけなげに早起きしてるんだよね。
その理由がこれ!
NHK朝の連続テレビ小説 『ゲゲゲの女房』 が見たいばっかりに、
目覚まし時計を7時30分にセットして、
午前2時くらいに眠りにつきます。
7時45分からBS2で始まる『ゲゲゲの女房』をみて、
面白かった時は8時からNHK総合でもう一回見直します!
完全に 寝不足 だあ!
『ゲゲゲの女房』とは・・・?
何が気に入ったのかって?
第一番に、
新婚の水木家の凄まじいまでの 極貧生活!
耐えていた…と言っちゃうと、ちょっとニュアンスが伝わらないけれど、
「貧乏神」と戦っていた!という方が、
さすがに妖怪まんがの巨匠・水木しげるらしく、ピッタリと来ます!
あ。『ゲゲゲの女房』ってなに? という方のために、
かんたんに説明しておくと、
『ゲゲゲの鬼太郎』や『悪魔くん』などの作品で知られるマンガ家・水木しげるの
奥さんである武良布枝さんが書いた自伝が原作のドラマです!
女優でピアニストの松下奈緒さんが主役をやってます。
もともとミロは水木しげるファンなもので、
原作の『ゲゲゲの女房』ももう読んでしまっています!
テレビでは水木しげる以外の登場人物はみな仮名になっていますが、
原作の方はみんな実名で出て来るので、
なるほど、そんなことがあったのか!というエピソードがたくさんあって楽しめました。
水木しげるが極貧時代、
プラスチック模型で連合艦隊の再建を図ったのは知っていましたが、
奥さんも手伝っていたというのは初耳でした。
最初は食べて行くのもようやくなのにと奥さんは反対だったのが、
手伝って行くうちにすっかりはまってしまうところなんか、
ほほえましいエピソードになっているのはゲゲゲ一家ならではですね(笑)
武良布枝さんの『ゲゲゲの女房』を下敷きにして、
水木しげるの自伝や自伝的マンガからいろいろなエピソードを持ってきて、
テレビの『ゲゲゲの女房』は成り立っているようです。
初回視聴率14.8%というNHK朝ドラ史上ワースト1位でスタートを切ったのが、
回を追うごとに視聴率は上がり、
最近では関東地区で20.4%もの高視聴率をとったとかで、
このぶんだとかなりの人気朝ドラとして記録を残しそうです。
朝寝坊のミロまで早起きしてみてるくらいだから、
この数字にもうなづけますな。
「妖怪絵師」水木しげる
少しだけミロの水木しげるの想い出を語ると、
はじめて水木作品と出合ったのは『少年マガジン』で連載が始まった『墓場の鬼太郎』が最初でした。
マンガ家というより、
妖怪絵師として水木しげるには注目していました。
メチャクチャ絵のうまい人だなあ! というのが第一印象でした。
点描でマンガを描く人を見たのも初めてでした。
風景の描き方に徹底的にこだわる人で、
後年、水木しげるには左腕がないことを知って、
「なにいっ!?」とショックを受けたことを覚えています。
人一倍、細部にこだわる絵を描いていた人が、
片腕だったとは!
戦時中、出征先のニューブリテン島ラバウルで、
制海・制空権を握っていた米軍の空襲をうけ、
左腕を失っていたのでした。
『総員玉砕せよ!』などのリアルな戦争マンガを描かせたら、
水木さんの右に出る人はいません。
でも、やっぱり魅力的なのは、
『悪魔くん』や『河童の三平』などの水木しげるならではの想像力が生み出した作品たちです!
『河童の三平』をこの前読みなおしたけど、
切なくなるほどいいマンガだなあ!
突撃!悪魔くん
『河童の三平』のメルヘンもいいけど、
平成の不景気な時代だからこそよみがえってほしい作品は、
なんといっても『悪魔くん』です!
水木しげるは『悪魔くん』を3度も描いてます!
最初の登場は貸本マンガ時代で、
東考社から全3巻で出ています。
じつは最初は5巻で終わるはずだったのが、
不人気のため急遽3巻で終わらざるを得なかった事情は、
TV『ゲゲゲの女房』でも描かれていました。
しかしこの『悪魔くん』がよみがえるんですね!
貸本版『悪魔くん』が1964(昭和39)年発行、
少年マガジン版『悪魔くん』が1966(昭和41)年より連載、
少年ジャンプ版『悪魔くん 千年王国』が1970(昭和45)年より連載。
水木しげるの世の中に対する怨念がこめられているかのような、
主人公の少年・悪魔くんの姿や顔つきが、
描き直すたびにおだやかなものに変化していくのがわかります。
しかし、やっぱり『悪魔くん』らしい『悪魔くん』は、
貸本版『悪魔くん』につきます。
貸本版『悪魔くん』を描くにいたった事情を、
水木しげるは「突撃!悪魔くん」という短編で描いています。
この世のあらゆる不幸が極貧の水木家に襲い掛かります!
このときの非情な世の中に対する怒りで描き上げた作品が、
貸本版『悪魔くん』なわけです。
現世は夢となり
夢は現世となる!!
万人が兄弟となる国をつくるのだ
エロイムエッサイム
エロイムエッサイム
われは求めうったえたり!
これからの『ゲゲゲの女房』
いよいよ青林堂の月刊まんが誌『ガロ』が創刊され、
水木しげるもマンガを発表し始めましたね!
テレビでは『ガロ』じゃなく『ゼタ』だそうですが(笑)。
水木しげる年譜では1964年のことです。
これをきっかけに、
貸本まんがファンだけでなく、一般のマンガファンにも、
「水木しげる」の名前が注目されるようになっていきます。
名編集者である長井勝一社長は知る人ぞ知るですが、
テレビでは嵐星社の深沢社長という役名で村上弘明が演じています。
『ガロ』という雑誌は多くの新人マンガ家を発掘した雑誌で、
掲載されても原稿料はもらえなかったそうですが、
それでも『ガロ』に掲載されることを目標にしていたマンガ青年たちがたくさんいました。
意外なところでは、
ロック・シンガーの泉谷しげる、作家の筒井康隆、作家で博物学研究家の荒俣宏などが、
当時『ガロ』にマンガを投稿していたそうです。
掲載されたことはなかったようですが。(記憶だけで書いているので、「たぶん」ということにしておきます。)
それはともかく、
ここらへんからいよいよ水木一家は少しづつ極貧生活から抜け出していきます。
1965年、『別冊少年マガジン』に『テレビくん』を描きます。
大手出版社の少年マンガ誌での”初仕事”でしたが、
水木しげるは周到な用意をして描き、「講談社漫画賞」を受賞します。
ここらへんは、たんたんと叙述している『ゲゲゲの女房』の原作本でも感動的なところですね!
これをきっかけに、一般マンガ雑誌からの注文が殺到します!
おめでとう!(泣)
このころから水木プロダクションを設立し、
つげ義春、池上遼一といった凄いアシスタントを使い始めるんですね。
テレビではどう描かれるんでしょうか?
興味津々ですね!
やがて『墓場の鬼太郎』のテレビ・アニメ化の話が持ち上がるものの、
いろんな事情でごたついているうちに、
ひと足先に『悪魔くん』が特撮テレビドラマとして放映されることになります。
この 『悪魔くん』 初放映時のエピソードもいいですね!
水木一家とアシスタントたちがテレビ(もちろん白黒です!)の前で「正座」して、
「気を付け」の姿勢で番組を最後まで観終わると、
エンディングに水木しげる作詞のテーマソング「悪魔くんマーチ」が流れます。
水木しげるが描いた原画にかぶって、
「原作 水木しげる」とクレジットされると、
思わずみんなが拍手をしたというのも情景が思い浮かぶようです!
水木しげるの戦争体験の地・ニューギニアへの再訪や、
紫綬褒章授賞式でシルクハットにフロッグコートのいでたちで天皇陛下に謁見したことなどが、
物語後半の見せ場になるんでしょうね。
奥さんから見た水木しげる像というのもかなりエキサイティングでしたが、
娘さんから見た水木しげる像というのもなかなか辛辣で面白かったです。
『ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘』
娘から見た巨匠たちの親父としての姿が赤裸々にバラされてしまっています。
NHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』は、これからも見どころたくさんです。
楽しみだなあ!
がんばって早起きしようっと!
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