『快傑ハリマオ』と対米英戦開戦

ども。ミロです。

わたしが太平洋戦争をどのように知って来たか? というテーマで、
ここのところやっています。

太平洋戦争開戦というと、どうしても華々しい戦果をあげた「真珠湾奇襲攻撃」が注目されますが、
じつは同時に日本軍は、
「マレー半島進攻作戦(マレー電撃戦)」を実施しています。

私がそれを知ったのはかなり後でした。
やはり私も最初の頃は、太平洋戦争開戦=真珠湾攻撃だと思っていました。

だって映画でもなんでも、
真珠湾攻撃を描いたものが圧倒的に多かったですからね!

たぶん、戦中派の人々にとっては常識の範疇に属することなのでしょうが、
戦後生まれの人間のうといところではあるようです。

しかし、テレビドラマで唯一、南方を描いたものがありました。
僕たち、戦後昭和少年は、このドラマに熱中したものです!

『快傑ハリマオ』オープニング(昭和35年・1960年)

『快傑ハリマオ』
作詞:加藤省吾 作曲:小川寛興 歌:三橋美智也/東京混声合唱団

まっかな太陽 燃えている
果てない南の 大空に
とどろきわたる 雄叫びは
正しい者に 味方する
ハリマオ ハリマオ
ぼくらのハリマオ

天地鳴らし 吹きまくる
あらしのなかも まっしぐら
どとうも岩も うちくだき
かちどきあげて 押しすすむ
ハリマオ ハリマオ
ぼくらのハリマオ

空のはてに 十字星
きらめく星の そのように
七つの海を かけめぐり
正義に結ぶ この勝利
ハリマオ ハリマオ
ぼくらのハリマオ

白人たちに鞭むちを振るわれながら重労働させられるアジアの人々!
そんなオープニングからドラマは始まります。

そこに銃弾を撃ち込むひとりの青年!
頭には白いターバンを巻き、黒いサングラス姿、派手な色柄のシャツ!
人々は「ハリマオだ! ハリマオだ!」と歓声をあげます。

『快傑ハリマオ』は、カンボジアのアンコールワットでロケされた、 日本で初めての海外ロケドラマでした。
しかも最初の5話は日本最初のカラーで撮影されています!
もっとも、わたしがカラーで見られたのは、
DVD全集を購入してからなので、ごく最近のことですが…

当時は、ジャワとかスマトラとかボルネオと聞いただけで、
体中がゾクゾクするような興奮を覚え、
エキゾチックな南方のジャングル世界へと想像がふくらんだものです。

第3部のオープニングではたしか、
ハリマオはゾウに乗って現れます!
少年たちが夢中になるわけだわな。

植民支配している白人と悪の中国人が手を組んで、
アジアの人々を搾取している現実に、
アジア解放の戦いを挑む謎の男・ハリマオ!

なぜか「中国人」だけは、アジア人の味方ではなく、
いつも西洋人と手を組んで悪事を働くんだよな。

日本人といっしょに西洋人と戦ってくれさえいれば、
こんな歴史は歩まなかったと思うんだがな。

まあ、「私欲」だけで「大義」を持たない国民性の国だから、
ないものねだりをしても詮ないことか。

「大東亜共栄圏」という太平洋戦争において掲げた日本人の理想を、
ハリマオは個人で戦い取ろうとしているのがわかります。

実は元日本帝国海軍中尉・大友道男というのがハリマオの正体なのですが、
なぜ彼がハリマオになっているのかはわかりません。

このドラマは原作が「山田克郎『魔の城』より」とクレジットされるので、
てっきりオリジナルな創作だと思っていましたが、
じつはモデルがあったことを大人になって知り、すごく驚きました。

次回はそのへんのことを。