ゴジラ、仙台を襲撃! 自主製作なら、なんでもできる!

怪獣王ゴジラが仙台に!それが見たかった!

思い返せば、昭和の時代のことになるが、
ゴジラ映画の原作(原案)を募集したことがあったんだよね。
そのとき私は、ゴジラが仙台駅を破壊して、立体駐車場から駐車していた自動車がガラガラとこぼれ落ちるというシーンを夢想した。

しかし、歴代ゴジラが破壊してきた建造物──国会議事堂、大阪城、名古屋城、有楽町マリオンなどと比べると、
クライマックスのシーンとしてはちょっと地味すぎるなと思った。
でも、ゴジラに一度、仙台の街をぶっこわしてほしいなあ!という希望はずっと持ち続けている。
こちらの記事の最後に掲載した写真「仙台駅夕景」などは、そんな思いから作ったものだ。

結局、そのときの原案募集からは『ゴジラVSビオランテ』が生まれた。

同じように「ご当地ゴジラ」を望む思いは、ゴジラファンなら多かれ少なかれ持っているものだろう。
それは若い世代でも同じなんだな、と思った出来事があった。

先日『OH!バンデス』(ミヤギテレビ)で、仙台電子専門学校の学生さんが作ったゴジラ映像が紹介されたのを見た。
技術的な達成度もさることながら、カメラアングルが素晴らしいし演出もうまいもんだなあと感心した。

ゴジラ仙台に出現!

ここでは自分の在学している専門学校ビルをゴジラに破壊させている。
仲間受けするたぐいの発想かもしれないが、このレベルでやられちゃうと、もう言葉もない。<br>次の作品も、とくにメーサー車を描くアングルが「これが見たかった!」というものになっているのは、脱帽ものだ。

あとは、「軍事用語」を勉強すると、もっとリアリティが出ると思うよ。

『ゴジラ -怪獣王上陸-』Blender

『シン・ゴジラ』からインスパイアされている部分が多いように感じるが、自分が気に入った作品のテクニックを真似することでスキルアップを図るということは、プロの製作者たちだってやっていることだ。

『猿の惑星』の新作が発表されるたび、進化した特殊メイクアップ術を日本の映画がマネをするのをたびたび目撃してきたし、
『スターウォーズ』のモーションコントロール撮影なども、日本映画はすぐに『惑星大戦争』でパクっている。

『パール・ハーバー』でハリウッドが巨大シンバルを使った戦艦の沈没シーンで観客の度肝を抜くと、
日本映画は『男たちの大和』で同様のシーンを撮るというふうに、ハリウッドの後にぴったりとついて、少なくとも「技術的」には差を開けられないような努力をして来ている。

この動画は「Blender」という3DCGアニメ作成ソフトを使用して作っているけれど、学生の水準を超えてしまっているね!
テレビでやってるCMアニメでも、これより低レベルなものは多い。

いまの時代、本当に好きだったらアマチュアでもこういう作品が作れてしまうんだな。

じつはゴジラは、すでに以前の作品で仙台上陸を果たしてしまっている。
冒頭に掲載した画像がそれで、『キングコング対ゴジラ』(1962年)のものだ。
「キングコング」の名前がゴジラより先に来ているのを見ても分かる通り、
キングコングの版権所有者に対して、かなり忖度がされている作品だ。

この作品でのゴジラは、セリフで松島湾から上陸したと語られるだけで、
仙台市も中心部を通過したわけではなく、22時15分頃「時速50キロで」かなり山の中を南下していっただけだった。
だから、なにひとつ仙台に傷跡は残していない。

…この時代の仙台市は、駅舎も木造の古いものだったし、
ランドマークとなるようなものもなかったとは言えるなあ。
ゴジラ様に襲っていただくにはまだ早かったね。

さらに後年、これはゴジラではないが、
『ゴジラVSメカゴジラ』で空の大怪獣ラドンが松島経由で仙台駅上空に飛来したことがあった。

ラドンは頭上を飛行しただけでソニックブーム(衝撃波)によって下にあるものが破壊されるから、
この映画では仙台市内のビルのいくつかが黒煙を上げる結果となった。

『ゴジラVSメカゴジラ』東宝 1993年 ラドン仙台駅上空に飛来

ラドンもいいけど、やっぱゴジラが仙台の街を破壊しまくる勇姿が見たい!

庵野秀明『愛國戦隊大日本』は、自主製作の「特撮映画」だ!

1980年台くらいから、自主制作映画とか自主制作アニメといった言葉を聞くようになった覚えがあるが、
「オタク」などという言葉が流行りだすよりもう少し前だったと思う。

ゼネラルプロダクツというオタク趣味の商品を扱う会社があって、
ガレージキットやDAICON FILMのビデオソフトや『よい子の匪歌集』なんて替え歌の本なんかを売っていたものだ。

『快傑のーてんき』とか『愛國戦隊大日本』とか『八岐之大蛇の逆襲』という映画を作って販売していたが、
見てみたい興味はあったものの、値段が高すぎてあきらめた。

『ウルトラセブン』地球防衛軍タイピン&『ウルトラマン』科特隊流星バッジタイピン


『海底軍艦』轟天号とかウルトラセブンのウルトラアイとか買ったりしたが、
今も残っているのは、上の写真にあげた地球防衛軍タイピンと科学特捜隊の流星バッジタイピンぐらいだな。
それと私のプロフィール写真(旧ブログ)に使っているアンヌ隊員とね!

アンヌ隊員

YoutubeでDAICON FILM作品を探したらあったので、貼っておく。
ちなみに『愛國戦隊大日本』の特撮を担当しているのは、大阪芸術大学在学時代の庵野秀明です。
ビデオカメラが一般に普及するはるか前なので、8ミリフィルムで撮影されているのも時代ですね。
これから30年後に『シン・ゴジラ』の監督をするわけだからね、大器の片鱗がうかがえます。

『愛國戦隊大日本』DAICON FILM 1982年(昭和57年)

『 帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』DAICON FILM 1983年(昭和58年)

庵野秀明 / 総監督

DAICON FILM『 帰ってきたウルトラマン』メイキング映像

★よい子のための特別付録★

『愛国戦隊大日本』
作詞:毛利文彦 作曲:渡辺宙明

もしも 日本が 弱ければ
ロシアが たちまち 攻めてくる
家は焼け 畑はコルホーズ
君は シベリア送りだろう
日本は オォ 僕らの国だ
赤い敵から 守りぬくんだ
カミカゼ スキヤキ ゲイシャ
ハラキリ テンプラ フジヤマ
俺達の 日の丸が 燃えている
GROW THE SUN
RISING SUN
愛國戦隊 大日本

この世に ロシアが ある限り
いつかは 日本に 攻めてくる
北の果て シベリアの 彼方から
アカの魔の手が 迫り来る
御国の四方を 守るために
兵役は オォ 国民ぼくらの義務だ
カミカゼ スキヤキ ゲイシャ
ハラキリ テンプラ フジヤマ
君達も 今すぐに 銃をとれ
GROW THE SUN
RISING SUN
愛國戦隊 大日本

凍らぬ 港が ある限り
ロシアは いつでも 狙ってる
尊い 犠牲を 払っても
北の土地から 追い返せ
樺太からふとも オォ 僕らのものだ
祖先の土地を 取り戻すんだ
カミカゼ スキヤキ ゲイシャ
ハラキリ テンプラ フジヤマ
今すぐに アカどもを ぶち殺せ
GROW THE SUN
RISING SUN
愛國戦隊 大日本

北に ロシアが いる限り
北洋漁業は できやせぬ
網はさけ 漁船は 拿捕されて
又もカズノコ 高値呼ぶ
サケ マス タラも 僕らのものだ
トロール船を 追い返すんだ
カミカゼ スキヤキ ゲイシャ
ハラキリ テンプラ フジヤマ
君達も 今すぐに 出漁だ
GROW THE SUN
RISING SUN
愛國戦隊 大日本

ジョージ・ルーカス監督『STAR WARS』とスティーブン・スピルバーグ監督『未知との遭遇』が日本で公開されて、
彼らがやはり自主制作映画出身だと知り、アメリカと日本との共通する時代の流れのようなものを感じたことを覚えている。

だいたいお金のあるやつは映画とか音楽の方に行くけど、
金のないやつは文学とかマンガに行くのが相場だよね。

一瀬隆重『ウルトラQ No.29「闇が来る!」』の存在や、
手塚治虫の息子・手塚真が自主制作映画で頭角を表して来ていることは、
実際に映像を見たことはなかったけれど、雑誌で取り上げられているのを見て知っていた。

世の中の玄人はだしの素人が、メディアを席巻し始めていた。
コミック・マーケットなどのファンダムの興隆を始めとして、
いかてん(「いかすバンド天国」)やダンス選手権など、この動きはいろいろな分野で見られるようになった。

大量の素人が参入することによって、表現の裾野が広がっていった。
そこから、メジャーの世界へデビューする者も出始めた。

これらの動きの集大成として「インターネット」時代がやって来る。
誰でも気負わずに自分の表現を発表できる場を、われわれは手に入れたわけだ。
その結果、表現内容の変質も起こっているが、そこから今までにない新しい表現を作り出せるかどうかは、
ひとえに若い世代の努力と才能にかかっているだろう。

人生は、長いようで短く、短いようで長い。
やりたいことをやりなはれ。

ウルトラアイ リアルタイプシリーズ ver.[ウルトラ警備隊西へ][cb]