いろいろな草の芽吹きが見られるようになってきました。
春の彼岸の中日ですから、いよいよ春! という感じです。
墓参りにも行って来ました。
春の楽しみの一つに
「野草」を食することがあげられます。
春一番に食べる野草、それは「バッケ」です。
蕗のとうの小さくて若い芽を、こちらの方ではそう呼びます。
包丁で叩いて刻んだものを味噌と和えた「バッケ味噌」が絶品です。
生のまま使う方法と、軽くゆでるやり方の2通りがありますが
私は生の方がバッケ本来の「苦み」を楽しめるので好みです。
バッケ初心者は茹でて食べてみるのもいいかも知れません。
春の香りで晩酌が進みます。
「餅草」と呼ぶヨモギも芽吹いています。
茹でて刻んだものを混ぜ合わせて餅をつくと
「草餅」が出来上がります。
きな粉と砂糖にまぶして食べると、
これまた春の香りが満点です。
ここらへんまでは広くたくさんの方が楽しんでいる
野草の食べ方です。
私にはさらに「隠し球」があります。
小さな畑があるのですが、
そこで「なづな」を摘みました。
なづなはご存じですか?
春の七草の一つにも数えられているアレです。
ちなみに春の七草は、
「せりなづなごぎょうはこべらほとけのざすずなすずしろ」と
秋の七草が観賞用なのに対し、こちらは食用なのが面白いです。
昔から日本人がたくさんの野草を食べてきたことがわかる歌です。
そもそも「な」というのは、
日本語では「食べられるもの」を意味していました。
「な」は「菜」であり「魚」でした。
「勇魚」と書いて「いさな」と読みますが、これは「くじら」です。
「な」が着いているのは、古来より日本人が食してきたということですね。
「魚」は「酒な」で、酒と一緒に食されるものということです。
最初に音があって、古来より日本語は音に意味がありました。
後から中国から漢字が輸入され、
日本語の音に対して同じ意味の漢字が当てられました。
だから「菜」も「な」であり、「魚」も「な」なわけです。
さらに漢字をアレンジして、日本独自の「変体仮名」が生まれます。
片仮名は日本語と同音の漢字の一部を取って作られています。
なづなの話の途中でした。(笑)
油断すると話が果てしなく脱線していくのが、このブログの特徴です。
なづなをおひたしにして食べるのが、大好きなんです。
歯ごたえと言い、香りと言い、
まさに春の味覚ですね。
なづなが大きくなって、白い花が咲き、
種を結んだのがいわゆる「ぺんぺん草」です。
種に柄が有り、茎から離れない程度に柄を裂き、
振ると種どうしがぶつかって
「ぺんぺん」と鳴ります。
古畑や なづな摘みゆく男ども 芭蕉